足跡に、吹雪を

此処には何も残らない

衝撃の行方

こびりついた何かが

身体中を駆けずり回る


ごりごり  と


静かな雨上がりの夜に

信号が青で道を照らす

この先には何もないだろう

冷たい空気を吸い込んで

魂を少し 押し込んだ


静かな雨上がりの夜に

雲間から月が道を照らす

この先には何があるだろう

淀んだ空気を切り裂いて

魂を少し 手放した


静かな雨上がりの夜に

あちこち光が射している

陰を隠して 何を照らす

魂を少し 閉じ込めた


この世はいくらか

明るくなったのか


この世はいくらか

明るくなったのか


こびりついた何かが

暗黒を


どす  どす  と


取り込んだ


この世はいくらか


明るくなったのか